宗純の京都だより その4 Sojune’s journal from Kyoto(4)
1月7日(日)11時より伏見の林宗美先生宅で初釜の茶事が催されました。参加は林社中の9名と3名のお客様(OB)の総勢11名。
お客様全員で順番にお床(掛物、お花、正月飾り)を拝見し、その後、長板とその上に置かれたお道具を拝見、お釜に向きを変えてお釜を拝見し席入りします。お軸は『松柏千年青』(しょうはくせんねんのあお)漢詩の冒頭部分。移ろいやすい世の中で振り回されず、変わらずそこに生き続ける存在という意味です。お花は紅白の椿に結び柳、床の間正面には初釜定番のお飾り、裏白の上に組紐でできた海老と海の幸・山の幸。長板の上には『黄交ち(足偏に止)焼』(きこうちやき)の水指・杓立て・建水・蓋置。お釜は竹の地紋のある天明釜、炉縁は松喰い鳥(鶴)の蒔絵が施された塗縁。炉には種炭がおこって(燃えて)います。
席入り後、宗純による初炭手前の後は懐石です。林先生手作りの白みそ仕立てのお雑煮、黒豆、数の子と仕出しのお膳にお酒が振る舞われました。その後、初釜恒例の花びら餅をいただいて中立ち(席を一端離れる)。
お客様が再び席入り(後入り)された後は長板総飾り重ね茶碗(嶋台茶碗)濃茶点前。一服目は3人分、二服目は4人分、裏出しで4人分が点てられました。
濃茶点前の後は、後炭手前で炭をつぎ足します。後炭手前は初炭で置いた炭が燃えて流れたものを、後炭手前で炭を足した後に良く燃えるように臨機応変に炭を組まなくてはいけません。普段、なかなかお稽古できない後炭手前もできましたので貴重な経験となりました。
最後に和三盆と飴の干菓子が出されました。何人かで順番に点て、お客様のそれぞれの好みの茶碗で薄茶をいただき退席となりました。
ほとんど一日がかりの茶事ですが、美味しいお料理とお菓子とお抹茶をいただき、特別な気分を味わうことができて程よい疲れが却って気持ち良く感じられました。また一年、奥の深い茶の道に精進していこうと心を新たにした一日でした。