A Magazine for Craftmakers
貴人点 kinindate
小習い十六か条の内、貴人点の風炉点前をそれぞれのレベルに合わせて、濃茶、薄茶でお稽古しました。今日のお菓子は生徒さんが、シカゴからお土産に持ち帰ってくださった日本の桜餅です。貴人点前をする亭主役、お茶をいただく貴人役、給仕をする半東役のお稽古をそれぞれが担って、順繰りにお稽古です。 Kinin date is one of the 16 basic procedures of the tea ceremony. In the third week of June, depending of the level of the students, we practiced the kinindate […]
チェリー練り切り Cherry Nerikiri
夏になると、アメリカのスーパーにはチェリーが並び始めます。ほとんどは、色の濃いいわゆるアメリカンチェリーと言われる種類のものですが、時には日本のさくらんぼに似たレイナーと呼ばれるものもよく見かけるようになりました。今回は、そのヘタをとっておいて、日本のさくらんぼの形を作ってみました。他の練り切りに比べて作るのは簡単ですが、生徒さんたちからは、形が可愛いととても喜んでもらえました。 Bing cherries and Rainer cherries are popular in the US, and there are everywhere during summer. Rainer cherries, light red with a yellow hue, remind me of Japanese cherries. […]
葉蓋・洗い茶巾 Habuta Araijakin
7月のお稽古は酷暑を迎え、葉蓋と洗い茶巾のお稽古をしました。我が家の小さな池に蓮の花が毎日次から次へと花を咲かせてくれています。蓮の葉も生き生きと水面を覆っています。その蓮の葉を蓋にして、お水を張った平茶碗に茶巾を浸して、茶筅、茶巾を仕込みます。涼しい風が茶室を吹きわたっているように感じます。11代玄々斎宗室の創案の点前。先人の季節を楽しむ趣向に感動です。 We are experiencing extremely hot weather in the Midwest this summer, so we practiced habuta and arai-jakin procedures to create a cool atmosphere. Many lotus flowers have been […]
平花月之式(2)
前回に引き続き、この夏は月に2度ずつ花月のお稽古をしました。最初は、みなさん「花月って何?」と興味津々。始まってからは足運びの難しさに戸惑っていましたが、いつもとは全く違うお稽古に夢中になり楽しんでいました。 水指は、ガラス工芸作家でお茶を習われている私の生徒さんが創られたものです。白地の丸卓に映えて涼しそうです。使い勝手もとても良いです! We used a water container that was created by the glass artist and also one of our students Maehata Kaeko. It looks cool on our marujoku shelf, and […]
日本祭に向けて For the Japanese Festival
いよいよ今週末から日本祭です。茶道の紹介デモに向けて、今月は御園棚を使ってどの役割もできるように、亭主、半東、お客様をかわるがわるお稽古しています。今月の練り切りは、今年の夏の暑さにも負けず爽やかに咲いている朝顔です。 We are practicing misono-shalf procedure this month for the upcoming Japanese Festival. Nerikiri this month is morning glory.
四ヶ伝 台天目 Shikaden Daitenmoku
2023年9月 9月の最終週は四ケ伝の内、台天目のお稽古をしました。 水指は曲物、天目台、天目茶碗、茶入れは和物、茶杓は利休型象牙の茶杓、蓋置は青竹です。 このお点前では真にさばいた袱紗でのお台のふき方、象牙の茶杓のふき方、湯や水を茶碗にそそぐときは左手を添える、茶筅通しは三回あげ等々、新たに覚えることがたくさんあります。 お道具が唐物か和物かなどで、浄める際の袱紗のさばき方が異なるということがだんだんわかってきたようです。 During the last week of September, we practiced the daitemoku, one of the Shikaden procedures. The water container was curved bamboo, and the daitemoku […]
日本祭2023 Japanese Festival
毎年恒例の日本祭が今年もレイバーデーホリデー期間中、9月2日3日4日と3日間、ミズーリボタニカルガーデンで開催されました。 私たちは2日と3日にお茶のデモンストレーションを披露しました。 約一か月間はデモンストレーションの御園棚のお稽古に集中して、だれもが亭主側、客側でも対応できるように練習してきました。 今年は300人以上収容できる新しい会場でしたので、1週間前に出入口が反対になることが判明。水屋の位置に伴い、御園棚の位置も予定していた位置と正反対になる、あるいはプログラムの変更により、セットアップ、クリーンアップの時間が大幅に削減されるなど、色々なハプニングがありましたが、お茶の精神の一つ『寂』の心で、臨機応変に予期せぬことに騒がず慌てず対処し、2日とも満席の中、社中一丸となって見事、大成功の裡に終えることができました。 We presented the tea ceremony at the annual Japanese Festival at the Missouri Botanical Garden Labor Day weekend, September 2nd to the 4th. All our students […]
四ヵ伝 唐物 Shikaden Karamono
日本祭が終わって、やっといつものお稽古が戻ってきました。 一週間のお休みの後は、中級の生徒さんを対象に四ヵ伝の内、唐物風炉点前をしました 帛紗を『真』や『行』にたたむ、唐物茶入れの扱いなど、新たに覚えることがいっぱいで、皆、目を輝かせてお稽古をしていました。 新たなことを学ぶということは刺激的でわくわくすることなんだなと感じます。 After a busy Japanese Festival weekend, we finally settled down to our normal weekly practice. Following a one-week break, intermediate students practiced karamono furo […]
茶箱月点前 Chabako Tsukidemae
月が美しい9月の間に一回は月点前を練習しておきたいと思い、今週は茶箱『月点前』のお稽古をしました。 茶箱のお道具が勢揃いの月点前は道具の名称を覚えるのも一苦労です。 茶箱の中には仕覆に入った棗、茶碗。振り出し、筅筒、ウグイスをかけた巾筒。 茶箱にかけた掛合には古帛紗、仕覆に入った茶杓、香合、小羽根、たたんだ帛紗を置きます。 器据えの上に茶箱を置いて、敷板の上には小火箸を準備して、さあ月点前の始まりです。 漢字で覚えられないアメリカ人の生徒さんたちは音でこれらの道具の名前を覚えます。 つくづく大変だろうな思いますが、皆さん結構ちゃんと覚えているのです!拍手! Because the moon is most beautiful in September, I wanted to practice the tsuki demae (moon procedure) at least once a year. Remembering […]
四ヶ伝 盆点 Shikaden Bondate
10月に入り、中級の生徒さんは四ケ伝の内、盆点、和布点のお稽古です。 As October begins, intermediate-level students are practicing bandate and wakendate as part of the shikaden procedure. 盆点 お盆は四方盆、お盆の上に仕覆に入った唐物茶入を置き、曲水指の前に紙一重に置きます。 黒の楽茶碗に茶巾、茶筅、象牙の茶杓を仕込ます。 象牙の茶杓の扱いは台天目で習得しましたので、スムーズにできました。 唐物のお盆、唐物の茶入れを浄めるときは袱紗は真にたたみます。拝見の前のたたみ方は行です。 仕覆から脱がされた唐物茶入をお台からとったり、お台へ戻したりするときは『揉み手』をします。 この所作が初めての生徒さんには馴染みがなく、皆さん戸惑われていましたが、何度も何度もするうちに自然にできるようになってきました。 The […]
お茶会@International Institute St.Louis
2023年10月 10月8日、IISTLのリーダーとして長年尽力され、2~3年前に引退されたMrs.Anna Crosslinの功績を讃えるという趣旨で彼女とそのご友人のためにお茶会をしてほしいという依頼を受けました。 日本人のお母様、アメリカ人のお父様の子供としてお生まれになったAnna さんはお父様が早逝されたのち、異国の地で子供たちを育てられたお母様のご苦労を目の当たりにされ、移民の人たちのために力を注ぎたいという思いで、IISTLの活動に携わってこられ、たくさんの方々との出会いがおありだったと思います。そこでテーマ『一期一会』にして、そのお軸をかけました。 Annaさんのお母さまのご実家の家紋が梅鉢紋で、梅の花がお好きとのことでしたので、秋真っただ中でしたが、あえて、お茶席は春一色にしました。梅の水指、梅の棗、梅の茶碗でお茶をお点てし、お菓子は梅の練り切り、私たち亭主側は皆、ピンクの着物を着て、一人一人が梅の花になったつもりで、Anna さん、そしてAnnaさんのお客様をおもてなししました。 Annaさんとご友人に日本の茶道のおもてなしの心を少しでも理解していただけたのでは?と思っています。 I received a request to host a tea ceremony in honor of Mrs. Anna Crosslin, who served as a […]
月例茶会 @長野庵⇒純心庵
2023年10月14日 夏の暑さが厳しい間は長野庵でのお茶会はお休みなのですが、10月14日久しぶりに長野庵でのお茶会を予定していました。 午前中はワシントン大学医学部の生徒さんたち15名の参加が予定されていて、午後からも2枠の茶席を催す予定で、秋らしい練り切り『月うさぎ』を作って準備万端でおりましたところ、一日中強風、低温との早朝の天気予報! 急遽、我が家の純心庵に場所を変更して屋内で開催しました。 幸いに全員に連絡が付き、予定通りにゲストをお迎えして無事に成功裏にお茶会を催すことができました。 若い人たちの熱気の中で冷たい風の吹く屋外の茶室とは一変して、暖かいお茶会となりました。 While the summer heat was intense, we took a break from hosting tea parties at Nagano-an. However, we had planned a tea party […]